農業研究本部

小豆新品稲「栄小豆」の育成について

佐藤 久泰、松川 勲、成河 智明、後木 利三

北海道立農試集報.33,58-67 (1975)

 小豆新品種「栄小豆」は、1960年に北海道立十勝農業試験場で、中生、良質、多収 品種の育成を目的として、「3407」(茶殻早生×早生大粒l号F6)を母に、「早生大 粒1号」を父として人工交配を行ないF2~F4は集団育種法により晩生個体を淘汰し、F5以降は系統育種法により選抜固定をはかってきたものである。  1969年よりは「十育70号」の系統名を付し、生産力検定試験特性検定試験を行なう とともに、地域適応性検定試験、現地試験を行った結果、安定多収性が認められ、 1973年に奨励品種「栄小豆」として普及にうつされた。一般性状は草丈高く、生育旺 盛であるほかは「宝小豆」に類似した小粒種(普通小豆)であるが、「宝小豆」より千 粒重がやや重く、平年で10~15%多収である。また低温年での減収程度が小さく、 安定性が高い。  栽培適地は十勝地方ならびに上川中・南部の「宝小豆」栽培地帯で、「宝小豆」を 「栄小豆」に置き換えて栽培する。


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