農業研究本部

菜豆新品種「福白金時」の育成について

犬塚 正、後木 利三、成河 智明

北海道立農試集報.33,68-77 (1975)

 「福白金時」(十育E-10号)は、1964年北海道立十勝農業試験場で「十育B-11号」 (昭和金時)×「5823-C-B-4」(「虎豆」×「大正白金時」F6)の交配組合 せによって育成され、1973年3月奨励品種に決定された白金時類である。  「大正白金時」と比較すると、特性について、形態では早生、矮性、硬莢で類似し ており、生態的にもほとんど差はない。子実収量は、20%程度多収である。千粒重 は約25%重く、これが多収の主因である。外観的品質は差がなく、煮熟した場合の 煮崩れ程度、肉質、食味は良好で差はなく、また種皮歩合は低い。煮豆、甘納豆の原 料に適し、良質白あん原料にも使用できる。  栽培適地は、十勝、網走、上川の畑作地帯で「大正白金時」に替えて栽培できる。 さらに、多収、中生、半蔓性の「十勝白金時」の熟期、草型などが栽培上問題になる 場合もこれに置き替え得る。


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