農業研究本部

ばれいしょ新品種「ワセシロ」の育成について

浅間 和夫、伊藤 平一、村上 紀夫、伊藤 武

北海道立農試集報.33,78-85 (1975)

 「ワセシロ」は1962年「根系7号」に「北梅39号」を交配して種子を得、後選抜を加 え、1967年に「根育11号」の地方番号をつけ、地方適否を確かめてきたものである。  1974年3月北海道で奨励品種として採用され、同年7月農林省に新品種として登録 (ぱれいしょ農林20号)、「ワセシロ」と命名された。  特性の概要は次のようである。  塊茎の肥大が早い早生種である。茎長はやや短く、草型はやや開き、花色は紫で、 葉色は淡緑で、小葉は大きい。「男爵いも」に比較し、収量、粒大、およびでん粉価 で勝っている。塊茎は偏卵で、目は中ないしやや深い。食味は良好で早掘り時のシュ ーストリングやポテト・チップにおける品質も良い。疫病抵抗性遺伝子R1を保有し、 Yモザイク病にやや罹病し難く、中心空洞がみられない。


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