農業研究本部

十勝地方における土壌の分類とその特性に関する調査研究
第2報 土壌分類について

菊地 晃二、関谷 長昭、横井 義雄

北海道立農試集報.35,29-41 (1976)

 土壌分類は、行政面においては、土地改良、土壌管理、環境保全などの事業実施計 画および普及指導の柱となるべきものであり、また、研究面においては、新しい技術 開発の基礎となるべきものである。  一方今日まで、我々が実施してきた土壌調査分類では、市町村を単位として土壌統 および土壌区が設定された。しかし、土壌統、区には市町村の境界を越えた広がりが あり、また、離れた市町村間にも同一とみなされる土壌統、区があって、市町村を単 位とすることは、総体的にみた土壌間の相互関係を理解することを難解にさせ、土壌 図を一般化し、容易に利用するための一つの障害になっていたのではないかと思われ る。したがって、今までの土壌調査結果を、より大きな行政単位で取りまとめること が、実際面での利用上重要と考え、我々の担当した十勝支庁管内での取りまとめを行 なった。なお、土壌調査結果を整理統合するための土壌分類法として、下降式土壌分 類体系を適用した。  その結果十勝管内に分布する多種多様の土壌を、高次分類から低次分類にかけて、 成因的結びつきを明らかにすることが出来た。また、命名法については、自然界にお ける土壌の成因的相互関係を正しく表現出来、かつ、その名前から各種土壌間におけ る関連を類推することが出来た。


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