農業研究本部

小豆における下位着莢率の品種間差異ならびに主要形質との関係

野村 信史、佐藤 久泰

北海道立農試集報.36,1-8 (1977)

 小豆の機械収穫適品種育成上の母本の選定を目的として、ここでは収穫損失と関連 する地上10cm内着莢率の大きさと他形質との関係を知るために北海道立十勝農業試 験場で保存中の在来種、栽培品種のうち、早、中、晩生種から26品種を用いて2カ年 品種間差異について検討した。  地上10㎝内着莢率と草丈、分枝数との間には高い負の相関係数が得られた。また開 花始、成熟期との間にも負の高い相関関係があって、小豆作物体の下部に着莢数が少 なく着生する品種、即ちコンバインによる収穫適性をもった品種は草丈が高く、熟期 が遅いものであることが明らかとなった。収量との関係では下位の着莢率の低い品種 は収量性が高いことが推定された。  下位着莢率の低い系統の選抜の難易の目安として、遺伝力を推定したところ、地上 10㎝内着莢率の遺伝力は子実重より大きく、草丈より若干低い値で下位着莢率の低い系統の育成はある程度容易であると思われた。


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