モモシンクイガの生態に関する研究 1 第1回成虫の出現期
梶野 洋一、中尾 弘志
北海道立農試集報.37,77-84 (1977)
モモシンクイガ成虫の出現期を余市町、長沼町および滝川市の3地点で調査し、第1回成虫の出現期と気温、およびリンゴの生育期との関係を検討した。 成虫の出現期は年次や地域によって異なるが、おおむね第1回成虫は6月下旬から 8月中旬に、第2回成虫は8月中旬から9月上旬に出現した。 第1回成虫の初発日と5月下旬および6月上旬の各平均最高気温の合計との間に負 の有意な相関の差が認められた。 第1回成虫の出現期とリンゴの生育期との関係では、生育の早い年は出現期が早ま る傾向にあった。 次に道内5地点(大野町、余市町、長沼町、由仁町、滝川市)から被害果を採集し 長沼町で越冬させ第1回成虫の出現期の地域間差異を調査した。 その結果、大野町から得た個体群の発生型は他の4地点のものと異なり第1回成虫 の初発時期が約3~4週間遅れるとが認められた。
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