農業研究本部

水稲新品種「さちほ」の育成について

江部 康成、森脇 良三郎、藤村 稔彦、東城 秀夫、山崎 一彦、前田 博 、佐々木 忠雄

北海道立農試集報.38,1-9 (1977)

 水稲「さちほ」は1964年に北海道立中央農業試験場稲作部で「ささほなみ」×「空 系1号」のF11「北海190号」を交配した雑種後代から育成された。  温室と暖地を利用してF5まで集団で世代促進し、F6で個体選抜、以後系統育種法 により育成した粳品種である。  1969年より生産力検定試験、特性検定試験を開始、1971年「空育97号」の配付系統 名を附して地域適応性を検討、1972年より2カ年間現地試験を実施した。l974年3月 の北海道種苗審議会で奨励品種に採用、登熟良整で米質が優れている特性にちなんで 「さちほ」と命名された。  対象品種の「ひめほなみ」に比べて強稈かつ登熟がすこぶる良整である。玄米品質 は良質で知られる「ユーカラ」に等しい。道央地域の中晩生配合品種として栽培され る。


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