農業研究本部

水稲新品種「はやこがね」の育成について

藤村 稔彦、柳川 忠男、山崎 信弘、佐々木 多喜雄

北海道立農試集報.38,22-33(1977)

 「はやこがね」は1964年道立上川農業試験場で交配した「北斗」×「上育272号」の F2雑種集団種子を1966年に同北見農業試験場で譲り受け、以後早熟耐冷良質を目標に 選抜固定をはかった粳品種である。1973年以降「北育64号」の系統名を付して各種の 試験を重ね、l977年3月北海道の奨励品種に決定された。  主要特性の大部分は対象品種「しおかり」・「かちほなみ」・「なるかぜ」・「き たこがね」などにまさる。出穂期は早生の早に属し成熟期は早生である。短稈穂数型 でふ先色は黄白でふ先には稀に短芒を有する。  障害型耐冷性は強く、耐倒伏性は中位、いもち病抵抗性は中~やや弱である。  品質は「しおかり」にまさり上位で食味は中~やや良である。収量の年次間変動小 さく安定している。また出穂が早いことなどから機械移植栽培にも適している網走、 十勝および上川北部、同南部、留萌中北部、後志山間その他これに類似の地帯で早生 種の作付されている地帯の早熟良質耐冷安定品種として推奨される。


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