農業研究本部

泥炭地水田に対する客土の米質向上効果

稲津 脩、渡辺 公吉、今野 一男、森 毅彦

北海道立農試集報.39,1-11 (1978)

 泥炭地水田産米の米質不良性を解析し、客土による米質向上効果を明らかにした。  米質の評価は、玄米性状、炊飯特性およびアミログラム、テクスチュログラムの特 性に基づいて行った。米質は泥炭地産米が最も劣り沖積壌土、沖積埴土、洪積埴土の 順で火山灰土が最も優れていた。しかし、泥炭地水田であっても、埴土質土壌の客土 によって米質を向上することができた。また、洪積埴土と沖積埴土を客入した場合、 それぞれの米質には差が認められなかった。  泥炭地水田において埴土質水田に匹敵する米質を得るためには、120m3/10a以上 の客土量が必要と思われる。「ほうりゅう」のような良質品種は、泥炭地水田による 米質劣化の影響は小さい。米質の劣化の主な原因は、米粒中の蛋白質が澱粉の生成に 関与し、その糊化特性に影響を及ぼすためと椎察された。


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