農業研究本部

モモシンクイガの生態に関する研究
2.産卵の果樹種間およびリンゴ品種間差異

梶野 洋一、中尾 弘志

北海道立農試集報.39,75-80 (1978)

 野外羽化箱および室内館育で羽化したモモシンクイガの成虫を供試して室内実験を 行った。リンゴ、モモ、ナシの産卵率の比較では、リンゴで高くモモ、ナシの間では 明らかな差はなかった。また産卵部位については、モモでは胴部に、リンゴ、ナシで は蕚窪、梗窪部に多く産卵された。  つぎにリンゴの品種間における産卵率の差異について、8品種を用いてリンゴ生育 期間を5期に分け検討した。  その結果、時期によって品種間に変動が大きく、全期間を通して一定の傾向はみら れなかったが、本種の発生上重要とみられる7月中旬~8月中旬では、ゴールデンデ リシャス、旭、紅玉、むつなどで高く国光、スターキングデリシャスでは低かった。  しかし、果面上の毛茸数が、産卵数に影響する主な要因であるとはいえなかった。


全文(PDF)