農業研究本部

矮性菜豆の子実生産におよばす窒素の影響

長谷川 進、野村 號

北海道立農試集報.40,30-39 (1978)

 矮性菜豆「手無中長鶉」の生育期を6期に分け、窒素の供給についてA試験では、 全期間無供給、全期間供給および各生育期毎に順次供給期間を延長する7区と、B試 験では、生育期毎に供給を順次中断する6区を設け、子実生産に及ぽす窒素の影響を 礫耕法により検討した。  窒素は、60ppmの1水準で供給した。  その結果A試験では、子実収量は窒素の供給期間が長くなるにしたがい増大し、成 熟期まで供給した区が最も高かった。また、窒素の子実生産能率(部分収量/総吸収 量)は、生育の初期と後期が低く、第2複葉展開期~莢伸長終期にかけ高かった。  B試験では、いずれの生育期に窒素を中断しても、子実収量は全期間供給に比べて 低く、とくに開花期の中断によって結莢率や若莢数の減少が著しかった。  以上により矮性菜豆の子実生産に対する窒素供給は、成熟期近くまで必要であり、 とくに開花期以降の供給が著しく影響することか明らかとなった。


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