農業研究本部

小豆品種の生育持性と窒素吸収の比較

沢口 正利、野村 琥

北海道立農試集報.43,1-11 (1980)

 小豆品種「茶殻早生」(早生種)、「栄小豆」(中生種)、「アカネダイナゴン」(中生種)を供試して、乾物重、部位別窒素濃度、および窒素吸収量の推移を生育時期別に比較検討した。  まず、乾物重の品種間の差は開花前の生育初期では小さいが、開花以後の急激な増加に伴って明らかとなり、「アカネダイナゴン」≧「栄小豆」>「茶殻早生」の順で推移した。  また、各部位の窒素濃度の推移をみると、生育初期では「茶殻早生」が他2品種より高い傾向にあったが、開花以後では逆転した。  窒素吸収量については乾物重の推移とほぼ同様の傾向であった。さらに、窒素多肥によって乾物重、窒素吸収量は増大するが、その程度は中生種でより大きく、また、吸収窒素の増大分は主に葉柄、茎部に蓄積し、順次生長に作用するが、「茶殻早生」では生殖生長に、「栄小豆」では栄養生長に強く作用する傾向がうかがわれた。


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