農業研究本部

菜豆新品種「北海金時」の育成について

成河 智明、三浦 豊雄、飯田 修三、中野 雅章、後木 利三、犬塚 正

北海道立農試集報.43,72-79 (1980)

 菜豆品種「北海金時」は、早生・大粒・多収の金時類の育成を目標に、1967年に北海道立十勝農業試験場において交配された「昭和金時×a‐32(F7)」の後代より得られたものである。  生産力検定予備試験での系統名は「十系B‐6号」、生産力検定試験における系統名は「十育B‐32号」である。  種々の試験結果より早生・大粒・多収性が認められ、1979年3月北海道の奨励品種に決定された。  主要持性は「大正金時」に対比すれば次のとおりである。  開花始が1日、成熟期が3~5日程度遅い、早生の晩に属する。草丈は45㎝前後で「大正金時」よりやや高い、矮性種である。百粒重は75g程度で「大正金時」より20%ほど重い。粒形はやや長楕円形、種皮色は赤紫を呈し、「大正金時」より濃い。子実収量は「大正全時」に比べ20%前後多収を示す。  栽培適地は、十勝、網走、上川地方などの畑作地帯で、栽培は「大正金時」に準じてよい。


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