農業研究本部

トウモロコシ種子粒大と稚苗期における低温処理後の回復生長量の関係

櫛引 英男、桑畠 昭吉

北海道立農試集報.44,47-51 (1980)

 16の自殖系統種子を用い、種子の粒大、稚苗期の低温生長量、低温処理後の回復生長量、及び低温発芽率の形質相互の関係をみた。  低温生長量は10-12℃の人工気象室、また低温処理後に17-26℃において、それぞれ日当り乾物重で示した。  その結果、種子の粒大と低温処理後の回復生長量との間に0.l%水準の有意な相関係数が示された。また、低温生長量及び低温発芽率は千粒重と有意な関係になかったが、共に自殖系統間の差異が認められた。  次に、2自殖系統を各々大粒と小粒種子に区分して、これと稚苗生長の関係を検討した。  いずれの自殖系統においても大粒種子の低温処理後の回復生長量は小粒種子のそれより大であり、また適温下生長量も大きい傾向にあった。  これらのことから1寒暖の繰り返えされる寒冷地においては大粒品種の選定が必要と認められた。


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