農業研究本部

北海道・道央地区のタマネギ栽培土壌の実態とその問題点

相馬 暁、岩渕 晴郎

北海道立農試集報.45,17-26 (1981)

 道央のタマネギ栽培における春の施肥および秋の有機資材・無機資材の施用には地域性が認められた。そのような施肥・肥培管理の地域的特色が土壌の養分蓄積状況によく反映し、例えば、滝川地区の高P蓄積、札幌・十勝地区のCaO-K2O優位の塩基蓄積状況をもたらしていた。  ところでタマネギ畑のP富化は著しく、栽培開始10年でその蓄積量が有効態(Truog)P2O5 100mg/100gを超えていた。  このようなP富化に伴ない可溶性Al・Fe量が減少するが、土壌の可溶性Al・Fe量自体は、塩基蓄横状況と同様、土壌に由来する面と、施肥・肥培管理に由来する面とが認められた。なお、P富化に伴なうタマネギの生育反応は、Truog-P205 80mg/100g程度まではプラスに作用するが、それを超えるとその効果は判然としなかった。  さらに、土壌中のN量との関係を検討すると、初期の無機態N量が多すぎると、濃度障害による生育抑制を、生育後半における過剰の残存N量は、収量低下をもたらした。


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