農業研究本部

中苗機械移植水稲に対する窒素施肥
第1報 基肥および初期追肥の効果

今野 一男、渡辺 公吉、稲津 脩

北海道立農試集報.47,1-12 (1982)

 空知地方のグライ低地土および泥炭土水田において,基肥と幼形期までの追肥窒素が水稲の生育,収量構成に及ぼす効果を検討した。機械移植水稲の最大精玄米収量は総籾数約3.5万粒/m2で得られ,この値は手植水稲と同じで土壌や施肥方法によっても変らなかった。総籾数と出穂期の稲体窒素保有量とは正の相関があっ,最大精玄米収量を得るための出穂期の最適稲体窒素保有量は10一11g/m2であった。この保有量に達するための窒素施用量は土壌や施肥方法で異なり,グライ低地土が泥炭土より,全量基肥が分割施肥より,そして幼形期追肥がそれ以前の早期追肥より効率よく稲体窒素保有量に反映した。また,これらの傾向は移植方式によって変らなかった。


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