農業研究本部

タマネギ軟腐病のペクチン質含有培地を用いた簡易診断

田中 民夫、坪木 和男

北海道立農試集報.48,32-39 (1982)

 供試培地は2つの基礎培地からなる。すなわちA培地:純水1,000ml(約100℃)、0.2%プロムチモールブルー溶液40ml、10%CaCl2・2H2O6ml、ポリガラクチュロン酸ナリウム塩22g(pH6.9、7.l)、およびB培地:ペプトン20g、K2HPO41、5g、MgSO40.7g、グリセリン10g、0.1%クリスタル紫溶液5ml、寒天4gおよび純水l00ml(pH7.2)である。  両培地は別々に殺菌(121℃、15分)した後、ただちに混合し、平板とした。本培地(PFD)上に生育したErwinia carotovora subsp.carotovoraのコロニーは中心部が橙黄色でその周縁は黄色を呈し、またコロニー周縁の培地表面は深く陥没した。  立毛中の腐敗症状タマネギなどから、PFD培地上に中心部が橙黄色で周縁が黄色のコロニーを形成し、培地表面を陥没させる細菌を分離し細菌学的諸性質を検討した。また、PFD培地を用いたタマネギ軟腐病の診断の実用性について論議した。


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