農業研究本部

大豆の耐湿性に関する研究
-湛水条件下における品種間差異-

松川 勲、谷村 吉光、寺西 了、番場 宏治

北海道立農試集報.49,32-40 (1983)

 水田転換畑に適する大豆の耐湿性品種を選定するため、北海道の主要な20品種を第4本葉期に湛水処理し、その被害程度および生育反応から耐湿性の品種間差異を検討した。  湛水処理により主茎長は短かくなり、分枝数は減少して生育は著しく抑制され、枯死個体が多発した。収量構成形質では稔実莢数は著しく減少し、100粒重はやや減少し、1莢内粒数は変らなかった。  このことにより子実収量は顕著に減少し、20品種平均で対照区の35%であった。また湛水処理による植物体への影響は水温によって異なり、平均水温が22.2℃であった水口側に比べ、水温が27.0℃まで上昇した水尻側は被害程度が高く、枯死率も2倍以上に増加した。  処理による各品種の反応は異なり、耐湿性強は「コガネジロ」「中系73号」、耐湿性やや強は「スズヒメ」「卜ヨスズ」「中生光黒」「オシマシロメ」耐湿性弱は「白鶴の子」「十勝長葉」「キタコマチ」「キタホマレ」などと判定された。


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