農業研究本部

モモシンクイガ合成性フェロモンの発生予察への利用性について

水越 亨

北海道立農試集報.49,41-48 (1983)

 モモシンクイガの合成性フェロモン(Z)-7-eicosen-11-oneの誘引性を長沼町、余市町、江部乙町、大野町及び由仁町の5地点で調査し、被害果からの成虫羽化期との比較行った。  次に両方法で得られた成虫発生期とリンゴ果実への産卵時期との関係を検討し、本種の合成性フェロモントラップの発生予察における利用性を考察した。  両方法による成虫発生期の比較では、発生ピークはおおむね一致したものの、被害果では各地点とも8月以後から成虫羽化数の減少がみられたため、全体の発生期間はフェロモントラップの方でより長くとらえられた。  次に圃場での産卵時期は多発生園では両方法のうちフェロモントラップでの誘殺時期により適合した。しかし少発生園では誘殺数は多かったのに対して産卵数が少なくフェロモントラップでの誘殺数と圃場での披害量との関係は不明であった。


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