農業研究本部

水稲新品種「みちこがね」の育成について

和田 定、江部 康成、江川 勇雄、前田 博、佐々木 恵雄、菊地 治己、新井 利直、山崎 信弘

北海道立農試集報.50,98-108 (1983)

 水稲「みちこがね」は,1973年北海道立中央農業試験場で交配した「空育99号×北海230号」の雑種後代から育成され,1982年6月に北海道の奨励品種に採用された(系統名:空育110号)。特性の概要は次のとおりである。出穂期,成熱期は「キタヒカリ」と同じで,中生の中に属する。稈長,穂長,穂数は「キタヒカリ」とほぼ同じである。受光態勢からみた草姿はよい。穂先は無芒,黄白色で脱粒性は難である。いもち病耐病性は中,耐冷性はやや強~強,稈質は「キタヒカリ」にまさる。玄米の品質,食味はほぼ「キタヒカリ」並で,「イシカリ」を上回る。収量は「イシカリ」並で,「キタヒカリ」を上回る。主要特性からみて,本種は北海道の中央部向きに推奨できる。


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