農業研究本部

水稲新品種「たんねもち」の育成について

佐々木 多喜雄、沼尾 吉則、柳川 忠男、和田 定、国広 泰史、本間 昭、佐々木 一男、新橋 登、森村 克美

北海道立農試集報.50,120-134 (1983)

 「たんねもち」は,1974年に北海道立上川農業試験場で交配した「道北22号×道北糯18号」の雑種後代から育成され,「かむいもち」に替わる強稈,多収,良質糯品種の育成を目標に選抜固定された。1980年以降,「上育糯381号」の系統名によって各種の試験に付され,1983年3月北海道種苗審議会で奨励品種に決定された。主要特性の大部分は対象品種「かむいもち」にまさる。出穂期は早生の晩であるが,熱期は中生の早である。やや短桿の偏穂数型で,俘先色は黄白,芒性は少の極短である。障害型耐冷性はやや強,いもち病耐病性は中~やや強で,真性抵抗性遺伝子Pi-aをもつと推定される。強桿で耐倒伏性はやや強~強である。多収で年次間変動は小さく安定している。玄米品質は「おんねもち」並に上位で,食味および加工適性も「おんねもち」と同等に良好である。北海道の中央部およびこれに準ずる地帯の糯の基幹品種として,「かむいもち」に替えて推奨できる。


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