農業研究本部

ダイズ矮化病抵抗性の育種的研究
III.自然感染および人工接種による感染が大豆の諸形質におよぼす影響

谷村 吉光、松川 勲、番場 宏治

北海道立農試集報.51,95-104 (1984)

 1981年と1982年の2ケ年ダイズ矮化病の自然感染および人工接種が大豆の諸形質にどのような影響を与えるかを育成系統,感受性品種および圃場抵抗性品種を用いて調査した。その結果,育成系統の発病による各形質への影響は自然感染および人工接種とも感受性品種と圃場抵抗性品種の中間に分布した。自然感染は発病により収量に関連する形質への影響は大きいが,形態的な形質への影響は小さかった。人工接種ではウイルス系統によって異なり,矮化ウィルス系統では形態的な形質および収量に関連する形質のいずれも影響が大きかった。他方,黄化ウィルス系統の接種では収量に関連する形質への影響が大きく,形態的な形質への影響は小さかった。また,自然感染と人工接種の間には明瞭な関連は認められなかったが,自然感染と黄化ウイルス系統とはやや類似した反応がみられた。


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