上川地方におけるアズキ茎疫病の発生実態
土屋 貞夫、田中 文夫
北海道立農試集報.51,105-112 (1984)
近年,北海道の各地で水田転換畑のアズキに茎疫病が発生し,問題となっている。上川地方における本病の発生の実態並びに発生消長調査を実施した結果,普通畑,転換畑いずれのほ場でも発生が認められたが,発生の程度は普通畑に比べ,転換畑で多発の傾向にあり,1977年,1978年には転換畑アズキ栽培面積の47.8~50.8%に相当するほ場で発生を認めた。ほ場での発生は年次変動が著しく,アズキ生育期間中の気象条件,土壌水分条件によって異なった。発生様相は点発生(少発生年),すじ状発生(中発生年)および坪状または全面発生(多発生年)の3通りの発生型に大別された。少雨,乾燥条件では点発生,多雨,高水分条件では全面発生を呈した。また,本病は早期に発病した株はど被害が大きく,7月中旬までに発病した株では生育期の途中で大部分が枯死し,子実は収穫皆無となった。本病の蔓延は湛水状態で激しくなるため,排水促進が防除対策上有効と考えられた。
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