農業研究本部

中苗機械移植水稲に対する窒素施肥
第2報 幼穂形成期以降の追肥の役割

今野 一男、渡辺 公吉、稲津 脩

北海道立農試集報.51,33-42 (1984)

 北海道空知地方のグライ低地土水田において,中苗機械植水稲の安定多収を目的に,幼穂形成期以降の窒素追肥を中心とした施肥法について検討した。追肥時期は幼穂形成期1,2週間後が効果的であり,総籾数と玄米千粒重の増加をもたらし,一方総籾数の増加に伴う登熟歩合の低下が少なく,精玄米重の増加となった。窒素15kg/10aの基肥と追肥への配分割合を検討したところ,精玄米重は1/2追肥>1/3追肥>全量基肥の順に多く,追肥割合の大きいものほど増収効果は高かった。幼穂形成期1,2週間後の多量追肥による増収効果は,紙筒苗の早植,密植によって初期生育を促進させた場合に顕著であり,低温年でも60kg/a水準の高収量が得られた。


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