農業研究本部

イネクビボソハムシの被害解析
I.加害量と被害量

橋本 庸三

北海道立農試集報.51,55-60 (1984)

 イネクビボソハムシの加害量は加害の程度に応じて定めた0~4までの加害程度指数を用い,被害量は各年次の無加害株との収量比である減収率を用いて求めた。加害程度指数(X)と減収率(Y)との関係は,二次回帰曲線で表わすことができ,加害される稲の生育段階によって異なった。幼穂形成期の10日前に加害されるとY=-14.99X+7.60X2となり加害程度指数4の株で約60%の減収になった。幼穂形成期に加害されると Y=-13.65X+4.98X2 となり加害程度指数4の株で約25%の減収になり,幼穂形成期から10日後に加害されると Y=-6.13X+2.04X2 となり,加害程度指数4の株でも約10%の減収であった。減収要因も加害時期によって異なり,幼穂形成期の前に加害されると主に穂数の減少によって減収したが,幼穂形成期後の加害では稔実歩合の低下も減収の一要因となった。


全文(PDF)