農業研究本部

ダイズ矮化病抵抗性の育種的研究
IV.北海道および東北地方北部のラジノクローバにおけるダイズ矮化病ウイルス保毒率について

谷村 吉光 松川 勲 番場 宏治

北海道立農試集報.52,85-93 (1985)

 北海道および東北地方北部におけるラジノクローバのダイズ矮化病ウイルスの保毒率を調べるため,両地域24箇所から非耕地に自生するラジノクローバを採取した。その汁液をジャガイモヒゲナガアブラムシによって,感受性品種「ユウヅル」,圃場抵抗性品種「黄宝珠」に接種して各地のラジノクローバのウイルス保毒率および大豆の被害程度を検討した。その結果,ウイルス保毒率は地域間差がみられ,北海道地域では高く,東北地方北部地域では低かった。大豆の被害程度は「ユウヅル」では北海道内で採取した病原性による被害は大きく,東北地方北部のものは小さかった。「黄宝珠」はいずれの地域の病原性についても被害が小さかった。しかし,発病した個体の被害程度をみると「ユウヅル」は両地域とも大きな被害を受けたが,「黄宝珠」は北海道からの病原性による被害が小さく,東北地方北部からのものでは大きかった。


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