農業研究本部

あずき新品種「エリモショウズ」の育成について

村田 吉平、成河 智明、千葉 一美、佐藤 久泰、足立 大山、松川 勲

北海道立農試集報.53,103-113 (1985)

 「エリモショウズ」は,耐冷良質多収品種の育成を目標として,1971年,北海道立十勝農業試験場において,「寿小豆」を母に,「十育77号」を父として人工交配し,以降選抜固定を行ったものである。  1977年以降「十育97号」の系統名を付し,生産力検定試験,地域適応性検定試験等に供試し,中生,良質,耐冷,多収の優点が認められた。1981年5月に農林水産省の新品種と認定され,同年6月「エリモショウズ」(あずき農林4号)として命名登録され,北海道の奨励品種に決定した。本品種は成熟期が「宝小豆」よりやや早い中生種に属し,形態的特性は「宝小豆」に類似するが,子実はやや大きく,良質である。また,「宝小豆」と同様,アズキ茎疫病,落葉病の抵抗性は持たない。子実収量は「宝小豆」より平年で7%,低温年で約20%多収である。栽培適地は,道東十勝管内,道央,道南およびこれに準ずる地帯の小豆の中生種栽培地帯である。


全文(PDF)