農業研究本部

タマネギ新品種「せきほく」の育成について

宮浦 邦晃、品田 裕二、中野 雅章、山木 貞一、越智 弘明

北海道立農試集報.53,115-125 (1985)

 春播き用タマネギ「せきほく」は,耐病,多収,高品質,高貯蔵性品種の育成を目標に,北海道立北見農業試験場において1980年に雄性不稔系統「W420(78-1)A」を種子親とし,「KMS7320-12M3」を花粉親として育成した単交配一代雑種である。1982年より「北見交3号」の系統名を付し,各種試験を行った結果,1984年3月北海道の奨励品種に認定された。草姿は直立し,肥大期は「北見黄」より2日程度早いが,倒伏期,枯葉期は5日程度遅い。平均一球重は「北見黄」とはぼ同程度であるが,総収量は約20%,規格内収量では約30%上回る。球(鱗茎)の品質,貯蔵性はともに優れ,乾腐病に対して強い。長期出荷に適する品種として網走及び十勝管内のタマネギ栽培地帯を普及対象地域とする。


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