農業研究本部

二酸化硫黄接触による果樹の可視被害
第1報 症状と感受性の樹種間差異

長谷部 俊雄、市川 信雄、山上 良明、黒川 春一

北海道立農試集報.54,49-56 (1986)

 5種類の果樹(ナシ・モモ・ブドウ・リンゴ・クリ)について,ビニールハウス利用のガス接触装置で0.3~0.9ppm の二酸化硫黄を接触させ,可視被害発現状態を調査し,被害発現の遅速と程度をもとに感受性の区分を行った。0.68~0.92ppm 接触では全樹種の葉身に急性害の特徴である煙斑の発現を認めたが, 0.31ppm 51時間の秋接触ではクロロシスを示す葉や落葉が増加するといった慢性害がみられたものの煙斑は発現しなかった。煙斑発現の遅速をもとに感受性の区分を行うと,クリ・リンゴ・ブドウは「中」,モモ・ナシは「小」となり,さらに同一接触時間での煙斑や慢性害の発現程度の多少を加味して細区分すると,クリ≒リンゴ>ブドウ≫モモ>ナシの順に前者ほど感受性が大きかった。


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