農業研究本部

ダイズ新品種「トヨムスメ」の育成について

佐々木 紘一、砂田 喜与志、土屋 武彦、酒井 真次、紙谷 元一、伊藤 武、三分一 敬

北海道立農試集報.57,1-12 (1988)

 だいず新品種「トヨヨムスメ」は、北海道の基幹品種である白目中~大粒でダイズシストセンチュウ抵抗性強の「トヨスズ」より早熟で多収な品種の育成を目標として、北海道立十勝農業試験場において「十系463号」×「トヨスズ」の人工交配を行い、以後選抜、固定を図ってきたものである。  1980年以降「十育l91号」の系統名で各種の試験を重ねてきたが、l985年6月に農林水産省の新品種と認定され「トヨヨムスメ」(「だいず農林8l号」)として命名、登録され、北海道の奨励品種に決定した。  新品種は、対照品種の「トヨスズ」と同様にダイズシストセンチュウに対して抵抗性強であるうえ、対照品種より4~8日早熟で中生種に属して安定多収であり、子実は白目中~大粒の良質である。また、十勝地方に発生のみられるダイズ黒根病に対して抵抗性強である優点も認められる。  今後、「トヨスズ」に代え普及することとなった。


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