農業研究本部

ハスカップ(和名クロミノウグイスカグラ)の害虫相について

水越 亨

北海道立農試集報.57,49-59 (1988)

 クロミノウグイスカグラ(Lonicera caerulea L.var.emphyllocaryx Nakai)は通称「ハスカップ」と呼ばれる。需要の急増による栽培面積の拡大で害虫の被害が深刻化し始めたため、1984、85年に道内各地の栽培園と自生地で害虫相と被害実態を調査し、更に長沼町では主要害虫の発生生態を調査した。  各地ともニンジンアブラムシとカタカイガラムシ科の1種による被害が著しく、一部に枯死もみられた。この他、ハマキムシ類、クロスキパホウジャク、アカモンドクガ、オビガ、ナミハダニの被害も目立ったが、発生程度は地域により異なった。  ニンジンアブラムシは枝幹の樹皮下で卵態で越冬し、4月下旬にふ化して5月中句より増殖した。  カタカイガラムシ科の1種は枝幹上で幼虫越冬し年1化。卵は7月中句よりふ化し、幼虫は葉裏に移動した。ハマキムシ類ではl0種が確認され、コアトキハマキが最優占種で、ミダレカクモンハマキ、テングハマキの発生量も多かった。


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