農業研究本部

水稲雑種集団の食味に関する理化学的形質の解析

佐々木 忠雄、稲津 惰、新井 利直

北海道立農試集報.58,111-120 (1988)

 「ささほなみ」×「農林20号」および「ササニシキ」×「ささほなみ」のF4派生系統各50系統について、1976年(F6)、’77年(F7)、’78年(F8)の3カ年、農業形質および食味に関する理化学的形質の差異を比較、検討した。  その結果、「ササニシキ」×「ささほなみ」の組合せは他方の組合せより多収性、玄米の良質性で明らかに優り、また低蛋白系統の頻度が多かった。しかしながら、「ササニシキ」×「ささほなみ」の組合せでは、アミロース含有率は耐冷性および収量と正の、アミログラム最高粘度は耐冷性と負の、それぞれ密接な遺伝相関が認められ、耐冷性および収量性と理化学的形質の優れた系統の出現頻度が著しく低かった。


全文(PDF)