農業研究本部

罹病麦稈の処理がコムギ条斑病の発生に及ぼす影響

尾崎 政春、近藤 則夫、赤井 純、児玉 不二雄

北海道立農試集報.58,121-126 (1988)

 コムギ条斑病の多発生ほ場において、ほ場に残る罹病麦稈の量を変えることの、土壌中の病原菌数、発病及び収量に及ぼす影響を3年間調査した。  罹病麦稈を鋤き込み後に播種すると、土壌中の病原菌数が多く推移し、発病も多く低収となった。  これに対し、罹病麦稈を焼却するか抜取ってほ場外に搬出すると、土壌中の病原菌数が少なく推移し、発病も少なく多収となった。  以上のことから、条斑病の発生ほ場では、ほ場に罹病麦稈を残さないことが、土壌中の病原菌数を減少させる有効な手段であり、発生ほ場における防除対策確立のために、利用できる技術であると結論した。


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