農業研究本部

水稲新品種「空育125号」の育成について

三分一 敬、本間 昭、佐々木 忠雄、沼尾 吉則、新井 利直、森脇 良三郎、森村 克美、前田 博、菊地  治己、和田 定、稲津 惰、江川勇雄、江部 康成

北海道立農試集報.58,25-40 (1988)

 水稲「空育125号」は、1978年に北海道立中央農業試験で、早生、良質、良食味およびいもち病耐病性の品種育成を目標として交配した「空育109号」×「キタヒカリ」の交雑材料から選抜育成され、1987年2月に北海道の奨励品種に採用された。  出穂期は「ともゆたか」並の中生の早であるが、登熟性がよく、成熟期は早生の晩に属する。生育期間中および成熟期の草姿は「ともひかり」に類似するが、稈長はこれよりやや長い。ふ先に稀に短芒を有する。穎色は黄白、ふ先色は黄褐である。  障害型耐冷性はやや強~強、いもち病耐病性はやや強~強である。耐倒伏性は「ともゆたか」より劣り、中~やや強である。  玄米収量は「ともゆたか」よりやや低く、「ともひかり」よりわずかに優る。玄米品質は「ともひかり」並であり、食味は「ともひかり」を上回り、ほぼ「ゆきひかり」並である。  以上の特性から、本品種を「ともゆたか」の全部および「ともひかり」の一部に置き換えて栽培し、北海道産米の品質と食味の向上をはかる。


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