農業研究本部

野菜類を加害するコナダニ類に関する研究  ホウレンソウにおけるコナダニ類の加害実態

中尾 弘志

北海道立農試集報.59,41-47 (1989)

 ホウレンソウに寄生し加害するコナダニ類はTyrophagus属2種、Mycetoglyphus属l種が確認された。  北海道22市町村85地点中、2l市町村56地点からコナダニ類が採集された。加害の主要種はホウレンソウケナガコナダニT.similisで、19市町村48地点から採集され全道に広く分布していた。  オオケナガコナダニ二T.perniciosus、ニセケナガコナダニM.fungivorusもホウレンソウケナガコナダニ同様の被告をホウレンソウに与えていたが、これら2種の分布は地域が限られていた。  被害はハウス・露地栽培とも認められ、春期のハウス栽培で被害が顕著で寄生数も多かった。ハウス栽培では、被害株率とl株当りの寄生数に高い相関が認められているが、露地栽培では一定の関係はなかった。  播種前の土壌中のコナダニ密度による被害予測はできなかった。


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