農業研究本部

イネクビボソハムシの被害解析.密度と加害量の関係

橋本 庸三、春木 保

北海道立農試集報.59,49-55 (1989)

 北海道におけるイネクビポソハムシの生存曲線は比較的安定しており、卵密度から幼虫発生量の予測が可能であると考えられた。  卵から幼虫への平均到達率は、1令で65.0%、2令で5l.3%、3令で40.5%であった。調査幼虫数より算出した50株当りの卵塊数と加害程度指数を用いて密度と加害量の関係を求めた。  卵塊数と加害程度指数には99%水準の有意な相関が認められた。加害程度指数l~2の株は収量に影響しないので、指数3~4株の50株中の出現率に各々の指数の減収率を掛け合わせて卵塊数と減収率の関係を導いた。  卵塊数と減収率には99%水準の有意な相関が認められだが、一定の安全度を見込んでその回帰直線の95%信頼限界を求め、幼穂形成期の加害を中心にして要防除水準を設定した。  被害許容水準を3.5%とすると要防除水準は、50株当りの卵塊数で50~60個となり、被害許容水準を5%とすると70~80個となった。


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