農業研究本部

北海道におけるリンゴ寄生ナミハダニの薬剤抵抗性
フェニソブロモレート、BINAPACRYL、BPPSを中心とした殺ダニ剤5種の薬剤感受性

水越 亨

北海道立農試集報.59,57-65 (1989)

1.北海道の3地点のリンゴに寄生するナミハダニの殺ダニ剤5種に対する薬剤抵抗性の発達状況を検定した。
 フェニソプロモレート乳剤では雌成虫で抵抗性の発達が著しいことが認められた。また雌成虫に対する試験で同一濃度間の死虫率のふれが大きいことから、感受性の大きく異なる個体群が混在しているものと考えられる。
2.BINAPACRYL水和剤、BPPS水和剤ではLC50値から判断すると感受性の低下はみられていない。しかし、濃度死亡率曲線でのプラトーや系統間での死虫率の変化の違いから、特にBPPSではやや抵抗性の発達した個体群が出現し始めたものと考えられる。
3.クロルプロピレート乳剤では雌成虫よりも卵で抵抗性が発達していた。
4.クロルプロピレート・テトラジホン乳剤のLC50値は雌成虫ではクロルプロピレートと同程度であったが、卵での感受性が高かったことから、テトラジホンに対する感受性か高いものと考えられた。


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