飼料用大麦新品種「あおみのり」の育成について
成田 秀雄、越智 弘明、佐藤 和広、吉良 賢二、森村 克美
北海道立農試集報.59,81-91 (1989)
飼料用大麦「あおみのり」は、北見農試が多収・強稈・良質の醸造用品種の育成を目標として、1973年に「ほしまさり」を母、「栃系28」を父として人工交配を行い、選抜固定を行ったのち、飼料用として再検討を行い、育成したものである。 「北育l8号」の系統名で、l979年からl981年まで奨励品種決定調査に供試したが.醸造品質が伴わないため醸造用としての試験を中止した。以降、飼料用として1984年より関係道立農業試験場、畜産試験場および現地において、「飼料用麦類の系統選定試験」に供試して適否を検討した結果、1987年1月の北海道農業試験会議、同年2月の北海道種苗審議会を経て、北海道の奨励品種となった。 本品種は「ほしまさり」に比較し、次の特性を有する。成熟期はほば同等で中生種に属する。稈長は5cm程度短く、強稈で耐倒伏性に優れる。糊熟期の乾物収量はほぽ同等だが、穂重歩合が高い。大麦網斑病抵抗性はやや劣る。 栽培適地は全道一円で、ホールクロップサイレージ用として利用する。
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