農業研究本部

水稲新品種「きらら397」の育成について

佐々木 多喜雄、佐々木 一男、柳川 忠男、沼尾 吉則、相川 宗巌

北海道立農試集報.60,1-18 (1990)

 「きらら397」は、1980年に北海道立上川農業試験場で交配した「渡育2l4号(しまひ かり)/適北36号(キタアケ)」の雑種後代から育成され、1988年2月、北海道の奨励 品種に採用された。  特性の概要は次のとおりである。  出穂期、成熟期はともに「早生の晩」。短稈の穂数型でふ先色は黄白、芒性は稀短で ある。障害型耐冷性はやや強である。  いもち病耐病性はやや強で、真性抵抗遺伝子Pi-k、iをもつと推定された。耐倒伏性は 中~やや強~やや強、玄米収量は「キタヒカリ」に優り、「ゆきひかり」並である。玄 米品質は「ゆきひかり」よりやや優り、食味は「ゆきひかり」を上回る。  以上の特性から、「きらら397」は、北海道の中央部およびこれに準ずる地帯で、「キ タヒカリ」の全部および「ともひかり」の一部に替えて推奨できる。


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