農業研究本部

湛水処理によるアズキ茎疫病抵抗性の検定と品種間差異

田引 正、土屋 武彦

北海道立農試集報.60,133-142 (1990)

 1985年、1987年の2か年、小豆l93品種および抵抗性品種を親とする26系統を供試して 、アズキ茎疫病の抵抗性の検定を実施した。  茎疫病に感染させるため、水田転換畑を使用して、罹病株を感染源として湛水を行う 湛水処理法を試みた。その結果、茎疫病をほ場全面に均一に発生させることができ、本 検定方法は有効であることか示された。  湛水処理法による試験結果より、発病度に品種間差が認められ、従来から知られてい る抵抗性品種「寿小豆」よりも強い抵抗性を有する品種として、新たに「新潟在・栃尾 半蔵金上「花小豆(刈154号)」、「青森在・34」の3品種が見い出された。  さらに、茎疫病に抵抗性の「寿小豆」等と感受性品種との交雑後代を供試して、生産 力検定試験などを行った結果、この湛水処理法が茎疫病抵抗性の選抜にも利用できると 考えられた。


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