二条大麦新品種「りょうふう」の育成について
佐藤 和広、成田 秀雄、越智 弘明、吉良 賢二、森村 克美
北海道立農試集報.60,31-43 (1990)
二条大麦「りょうふう」は、1976年に北海道立北見農業試験場で交配した「新田二条 1号」×「北育l5号」の雑種後代から育成され、1989年2月に北海道の優良品種として 認定されると共に、同年3月ビール酒造組合の定める契約対象品種中の指定品種に採用さ れた。 本品種は「ほしまさり」に比較して次の特性を有する。分げつ盛期の葉色がやや淡い 。中生種に属するが.成熟期は3日程度遅い。稈長は10cm程度短く、耐倒伏性が強い。穂 長は同等であるが、1穂粒数がやや少なく、穂数は多い。 大麦雲形病抵抗性は同等であるが、大麦網斑病抵抗性はやや弱い。 子実重、整粒歩合は同等であるが、千粒重、リットル重はやや小さい。原麦粗蛋白質 含量が少なく、醸造品質は優れている。 栽培適地は北海道の二条大麦(子実用)栽培地帯で、「ほしまさり」と全面的に置き 換えて栽培する。
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