搾乳中の乳汁電気伝導度による異常分房の検出方法
高橋 雅信、塚本 達、笹島 克己、玉木 哲夫、島田 実幸
北海道立農試集報.61,41-50 (1990)
高体細胞数分房及び感染分房を搾乳中に自動検出する装置の開発を目的に、ホルスタイン種の乳牛80頭の延ぺ402分房の搾乳で得られた搾乳中の電気伝導度と分房別の感染状況および前搾り乳の体細胞数を用い、搾乳中の電気伝導度によるこれら異常とされる分房の検出方法について検討した。 検出の特異度が95%となる条件で比較した、搾乳中の電気伝導度による高体細胞数分房及ぴ感染分房の検出感度は、搾乳開始15秒間の最大値より搾乳終了までの最大値を用いた方が高かった。 また、電気伝導度の最大値より分房間差値を用いた方が検出感度は高く、最大値と分房間差値を併用するとさらに検出感度が高まった。検出の目的とする体細胞数が大きいほど検出感度は高く、また、二次性乳房炎起因菌に比べて一次性乳房炎起因菌による感染分房の検出感度が高かった。 搾乳中の電気伝導度の最大値とその分房間差値を併用した場合の検出感度は、体細胞数51万/ml以上の分房で82%、一次性乳房炎起因菌による感染分房で57%であった。
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