農業研究本部

水稲新品種「はくちょうもち」の育成について

本間 昭、楠谷 彰人、前田 博、佐々木 一男、天野 高久、前川 利彦、新橋 登、佐々木 多喜雄、柳川 忠男、沼尾 吉則

北海道立農試集報.62,1-11 (1991)

 「はくちょうもち」は、1980年に北海道立上川農業試験場が交配した「上育糯381号(たんねもち)」×「おんねもち」の雑種後代から、北海道立北見農業試験場が選抜固定を進めてきたもので、1989年3月に北海道の奨励品種に採用された。  特性の概要は次のとおりである。出穂期と成熟期はともに「早生の晩」。やや短稈の偏穂数型品種である。俘先色は黄白、芒は極短、その程度は少である。障害型耐冷性は強、穂いもち病耐病性は中からやや強、耐倒伏性はやや強から強である。  玄米収量は「おんねもち」に優るが、「たんねもち」にやや劣る。玄米の品質・食味は、「おんねもち」に優り、「たんねもち」に近い。  以上の特性から、本品種を道東および道北の全域と道央部の山間地帯、並びにこれらに準ずる地帯に栽培し、良質糯米の安定生産を図る。


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