農業研究本部

菜豆新品種「福虎豆」の育成について

南 忠、伊藤 平一、及川 邦男、番場 宏治

北海道立農試集報.62,13-22 (1991)

 菜豆の新品種「福虎豆」は、早熟、多収、良質な虎豆品種の育成を目標として、北海道立中央農業試験場において、「虎豆(端野系)」×「虎豆」の人工交配を行い、以後選抜、固定を図ってきたものである。  1985年以降「中育T26号」の系統名で各種の試験を重ねてきた結果、1989年3月に北海道の奨励品種に採用された。  本品種は、主茎長が約2.4mとなるつる性種であり、成熟期は「改良虎豆」より10日早い晩生の早である。花色は微紅色を帯びた白色である。子実は、白地に臍を中心として淡肉色地に赤褐色の偏斑紋があるいわゆる虎豆であり、「改良虎豆」とほぽ同じ中粒の大である。主産地における収量は各々「虎豆(端野)」や「改良虎豆」に勝る。  煮豆の加工適性は「改良虎豆」並に良好である。栽培適地は全道一円とし、「虎豆」に代えて普及することが期待されている。


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