農業研究本部

ヒラズハナアザミウマのアズキ圃場および雑草地における発生消長

八谷和彦

北海道立農試集報.62,55-61 (1991)

 近年様々な農作物で被害が増加しているヒラズハナアザミウマについて、本種が多発生するアズキ圃場および本種の発生源と考えられる雑草地において、発生消長を調査した。  アズキ圃場では4種の誘殺トラップを使って調査したが、どのトラップにおいても本種は5月上旬から10月中句までほぽ連続して誘殺され、誘殺数はアズキの開花期間に著しく多かった。  雑草地では、7種の雑草の花における寄生個体数を定期的に調査した結果、本種はどの雑草にも寄生が見られ、アザミウマ類の優占種であった。  寄生個体数は、セイヨウタンポポ、シロツメクサおよびアカツメクサで特に多く、夏期の最盛期には、頭花1個に数10頭の成幼虫の奇生が見られた。  以上のことから、本種は農耕地周辺で極めて普通に発生し、圃場への飛来は夏期を中心に春期から秋期まで連続すると考えられた。


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