農業研究本部

冬期における豚糞の断続添加による堆肥化の促進

阿部 英則、井内 浩幸、大原 益博、小松 輝行

北海道立農試集報.63,23-30 (1991)

 豚糞堆肥の冬期における腐熟化促進を目的とし、回分式腐熟試験(回分試験)並びに豚糞を断続的に添加する腐熟試験(添加試験)を行った。  回分試験では副資材に稲わらを用い、切返しや保温、踏圧の効果を調べた。添加試験では副資材に稲わら、もみがら、おがくずを用い、豚糞を断続的に添加する効果を調べた。 それによると、回分試験においては、切返しの効果は認められず、保温や踏圧の効果は認められたものの、発熱期間は夏期のそれには及ばなかった。  一方、添加試験では品温の低下時に豚糞を添加することで、70~160日間の熱発生がみられ、冬期における腐熟の継続が可能となった。  有機物や繊維成分の分解率、コマツナを用いた発芽試験、臭いからみて、発熱終了後における後熟は必要であると考えられた。  また、この豚糞を断続的に添加する方式では回分方式と比べて、副資材を大きく節減できることが明らかとなった。


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