北海道におけるイネ苗立枯細菌病の発生

竹内　徹、田村　修

北海道立農試集報．64，35-42 (1992)

　育苗中のイネの本葉第二葉が葉身基部から黄白化し、のちに苗全体が赤褐色を呈して針状に枯死する病害が1990年および1991年に北海道の道央部を中心に多発した。 　発病苗からは赤褐色色素を産生する細菌が分離された。これらは接種によりイネ苗の生育を著しく阻害し、同一の病徴を再現した。 　本細菌の細菌学的性状は、イネ苗立枯細菌病の病原細菌Pseudomonas　plantarii　Azegami　et　al.1987と一致した。 　以上のことから、イネ苗立枯細菌病の北海道における発生が初めて明らかとなった。また、カスガマイシン剤による本病の防除効果についても検討した。

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