農業研究本部

水稲新品種「ほのか224」の育成について

竹川 昌和、佐々木 一男、三浦 一男、上野 賢司、山崎 一彦、手塚 光明、森村 克美、和田 定、前田 博、佐々木 忠雄、菊地 治巳、新井 利直、本間 昭

北海道立農試集報.64,43-58 (1992)

 水稲「ほのか224」は、1981年に北海道立中央農業試験場で交配した「渡育214号(しまひかり)」×「空育110号(みちこがね)」のFl×「空育114号(ゆきひかり)」の雑種後代から、北海道立道南農業試験場が選抜、固定を進めてきたものであり、1990年2月には北海道の奨励品種に採用された。  新品種の特性は、出穂期は晩生の中、成熟期は晩生の早、やや長稈の偏穂数型で、ふ先色は黄白、芒性は稀短である。耐倒伏性はやや強~強、障害型耐冷性はやや強、いもち病耐病性は中~やや強、真性抵抗性遺伝子Pi-α、iをもつと推定される。  玄米収量は「マツマエ」よりやや少ないが、「巴まさり」、「ゆきひかり」よりやや多い。玄米品質は「ゆきひかり」よりやや優り、食味は「ゆきひかり」を上回り、「しまひかり」並である。  以上の特性から、「ほのか224」は、渡島南部、檜山南部およびこれに準ずる良地帯において、「マツマエ」の全部および「巴まさり」、「ゆきひかり」の一部に代えて栽培することを推奨できる。


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