農業研究本部

アズキ新品種「アケノワセ」の育成について

島田 尚典、藤田 正平、千葉 一美、村田 吉平、足立 大山、原 正紀、白井 滋久、成河 智明、土屋 武彦、三浦 豊雄

北海道立農試集報.64,59-74 (1992)

 「アケノワセ」は、北海道立十勝農業試験場で、大粒、耐病、多収品種の育成を目標とし、1981年、「十系276号」を母、「十育106号」を父として人工交配を行い、選抜固定を図ってきたものである。  1988年以降、「十育124号」の系統名で生産力検定試験、地域適応性検定試験等を行った結果.1992年に北海道の優良品種に採用され、また、農林水産省で新品種として認定され、「アケノワセ」と命名登録された。  本品種は、成熟期が「ハヤテショウズ」並みの早生であり、アズキ落葉病及びアズキ茎疫病に対し「ハツネショウズ」及び「寿小豆」並みの抵抗性を持つ。また、「ハヤテショウズ」より子実収量は少ないが、百粒重が約10%重く、種皮色が鮮やかで外観品質はやや優る。  栽培適地は、十勝山麓・沿海、網走、道央北部、道央羊蹄山麓及び道北の一部とこれに準ずる地帯のうちアズキ落葉病またはアズキ茎疫病の常発地帯である。


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