農業研究本部

ダイズ新品種「大袖の舞」の育成について

湯本 節三、土屋 武彦、冨田 謙一、故佐々木 紘一、砂田 喜輿志、酒井 真次、白井 和栄、紙谷 元一、三分一 敬、田中 義則、伊藤 武

北海道立農試集報.65,45-59 (1993)

 「大袖の舞」は.北海道立十勝農業試験場で、ダイズシストセンチュウ抵抗性を有するあお豆品種の育成を目標とし、1978年に「十育186号」を母、「トヨスズ」を父として人工交配を行い、以後、選抜、固定を図り、1988年からは「十育216号」の系統名で生産力検定試験、奨励品種決定基本・現地調査および各種の特性検定試験に供試された。  その結果、1992年に北海道の優良品種に採用されるとともに、農林水産省の新品種に認定され、「大袖の舞」として命名登録された。  本品種は、ダイズシストセンチュウ抵抗性が強で、耐倒伏性に優れる良質多収のあお豆品種である。適地は十勝、網走地方およびこれ準ずる地帯で、これらの地域において「音更大袖」の一部と「早生緑」におき代え普及奨励する。  本品種は北海道産のあお豆の生産安定に寄与することが期待される。


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